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『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第13話「もちつきぺったんお年玉」(1983年12月25日放送 脚本:浦沢義雄 監督:坂本太郎)

【ストーリー】

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 ネギ太(高橋利安)はクリスマスプレゼントの双眼鏡で夜空を見上げるが、やはり双眼鏡ではとても新しい星を発見できそうもない。ネギ太はやはり天体望遠鏡がほしい。ベビーベッドで寝ているペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)。

 

 不景気で、畑家ではボーナスが少なく門松も小さい。ナス夫(佐渡稔)は、向かいのおじさん(木村修)と「不景気ですなあ」とこぼし合う。セロリ(斎藤晴彦)とトマト(東啓子)は、お供え物の大きさをめぐって喧嘩。

セロリ「畑家のお供えというのは、昔からご近所で大きいというのが有名なの」

 小さくてみかんも乗らないと非難。

トマト「お母さま、お言葉ですけどあたしだって大きいお供え物にしたいんです」

セロリ「そうすればいいじゃないですか」

トマト「みかんなんて小さいことは言いません。かぼちゃでもすいかでも、ガスタンクでも乗るような大きなお供え物にしたいんです」

セロリ「だからそうすればいいじゃないですか」

トマト「ナス夫さんの給料がそれを許さないんです」

セロリ「あ、そうやってすぐナス夫のせいにして。ふん、たしかにナス夫はね、私が産んで育てた出来の悪い子どもですよ。ああもうナス夫はバカ、セロリもバカ、ネギ太は頭が不自由!!」

 

 ネギ太は「どっか遠いとこ」へ行くと行って出て行く。ナス夫が「ネギ太どうかしたの?」と訊くと、トマトとセロリはナス夫の手をひっぱたく。 

 大人が不在の野原動物病院では、ネギ太と小百合(川口智子)、ガン太(飛高政幸)、ペットントンが集まっていた。お年玉の見込み額が少なそうで、みな浮かない顔。

ネギ太「絶望のお正月」

小百合「どうにかならない?」

 友だちの輪のお告げで、みなはもちつき株式会社を作り金儲けを目論む。肝腎のもちつきは、ペットントンに押しつけられる。町内を回って宣伝するネギ太とガン太。

ガン太「ご町内のみなさま、餅つきはペットントンもちつき株式会社にお任せ下さい。みなさまのペットントンがお手伝いいたします」

 やがて野原動物病院に、すぐ来いと主婦(太地琴恵)が電話をかけてきた。小百合は「うちがペットントンもちつき株式会社の連絡先になってるみたい」と嘆息。ペットントンはもちつき役として各家庭に派遣された。

小百合「まったくペットントンも人がいいんだから」

 もちつきしたことのないペットントンに主婦は怒る。

主婦「ちょっとあんた、それじゃ詐欺じゃない!?」

 主婦が電話で文句を言いに行った間に、自棄になったペットントンは、杵でもちを叩きまくる。主婦は呆れて気絶。

 

 小百合は、野原動物病院で電話受付係を務める。

ガン太「お前は部長」

ネギ太「え、ガンちゃんは?」

ガン太「当然社長」

ネギ太「じゃんけんで決めるってのは」

ガン太「お前そういうやつだったの」

 ネギ太とガン太は、自分たちは働かずに社長の地位を争う。

小百合「あんたたち、いい加減にしなさいよ。こんなに仕事が入ってるんだからね。少しはペットントンの仕事を手伝ってあげたらどうなの」

ガン太「おれ、虚弱体質だから力仕事だめなの」

ネギ太「ぼくも…」

 ペットントンに仕事を押しつけるネギ太とガン太に、小百合は呆れる。

 

 あちこちの家庭で、不慣れなペットントンはもちつきに失敗。別の家では、ペットントンがついた餅が四方に飛び散ってしまったり、臼を破壊してしまったり。

 逃げ出したペットントンが公園で水を飲もうとすると、蛇口からジャモラー(声:八代駿)が。ペットントンは何故か手近にあった籠に閉じ込める。

 

 そこへやってきたネギ太とガン太は、どっちが社長かを延々言い合う。怒る小百合。

小百合「あんたたち、男らしくないわよ。ペットントンばかりに働かさせて。社長になれば働かなくて済むと思ってるんでしょ」

 ペットントンを連れていく小百合。野原動物病院に戻ったふたりがラーメンを食べていると、ネギ太とガン太が帰ってくる。ネギ太とガン太は、今度はペットントンを社長にして、もちつきもやれと要求。小百合はほんとに激怒。

小百合「ふたりとも、もう友だちじゃないからね!」

 

 怒った主婦たちは交番で警官(高橋等)に文句をまくしたてていた。

 主婦たちはネギ太とガン太を見つけると、「いちばん悪いのはあの子たちよ」と追いかける。

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 小百合も落ち込んでいた。

小百合「男の子って、扱うの本当に難しい。こんなことで小百合、お嫁に行けるかしら」

 やがて追って来た主婦の群れから、3人で逃げる羽目に。

 

小百合「どうして? どうして、私まで逃げなきゃいけないの?」

ガン太「世の中ってそういうものなの!」

小百合「あんたたちとつき合うとろくなことないわね」 

ネギ太「いいからいいから」

 

 ペットントンは、川沿いの公園で鳥(声:向殿あさみ)と話していた。

鳥「元気出しなさいよ」

ペットントン「ガン太とネギ太と小百合、仲直りさせたいムニュ」

鳥「そのうち仲良くなるわよ」

ペットントン「ほんとムニェ」

鳥「大丈夫、みんな子どもですもの」

 

 そこへ主婦たちに追われた3人が逃げてきた。ペットントンはタイムステッキで時間を止めて細工をする。主婦たちはパニックに陥り、みなは難を逃れた。3人は何となく仲直り。

 ペットントンとネギ太が帰宅すると、畑家では思ったより大きな門松をナス夫が設置し、セロリとトマトが豪華なおせち料理を用意していた。テーブルの上には大きなお供え物が。

ナス夫「不景気のときこそ、こんな門松立てて景気をつけなくっちゃ」

 意外とお年玉が期待できると思うネギ太だった。

 

【感想】

 ネギ太と小百合、ガン太の3人が完全にメインで、この前回の第12話から第2期へ移行したように思われる。第1〜11話は畑家やヨーコ、トモコなど主に大人のキャラがフィーチャーされていた。だが第12話から大人はどちらかと言えば後景となることも増え、子どもたちの比重が大きくなる(ヨーコとトモコはいつのまにか消滅)。

 

 まずガン太の存在だが、初登場の第2話からゲイでネギ太を愛するという設定は説明されていたけれども(第10話の「おれ、お前に甘えたい」という台詞が衝撃的)、一方で登場しない回すらあった。けれども次第に出番が増え始め、反響が大きかったことが推察される。また友だちのひとりという程度で出番が1分くらいの回もあった小百合にも主役回が用意されるなど、扱いが格段に違ってくる。このふたりに関しては、作り手の予想を超える視聴者の人気を集めたのだろう。

 この回の小百合ちゃんが男子を「あんたたち」呼ばわりするあたりは、『有言実行三姉妹シュシュトリアン』(1993)などでも見られる、浦沢義雄脚本の女性キャラの台詞回しである。この時点では可愛げのある小百合も、やがて鬼のような性格第43話に変貌してしまうのだけれど…。

 前回につづいて、ナス夫やセロリら畑家の乗りもいい。トマトとセロリの言い合いのシーンではトマト役の東啓子氏のオーバーな身振りが笑える。

 最近はペットントンが単独で使っていた友だちの輪だが、今回は子どもたち3人とペットントンとで使っている。

 ガン太の「虚弱体質」の台詞は、スペシャルでも反復されている。

 呪文で時間が止まったシーンでは、主婦たちが微かにグラグラ動いている。

 

 鳥の声は、向殿あさみ氏。不思議コメディーシリーズでは、『ロボット8ちゃん』(1981)のテレコミーの声、『バッテンロボ丸』(1982)のチョキットの声を担当されていたのですぐ判った。第12話でも、犬の声はおそらく向殿氏だと思われるのだが、クレジットにはなかった。

 

 大人を中心として比較的無難な内容だった第1期を経て、子どもが目立ちトンデモ性の高い第2期が始まった。次回第14話には、ストーカー根本君が登場。『ペットントン』の狂気は本格的にほとばしり始める。

 

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