『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第2話「ホニホニ初恋 愛してる」(1983年10月9日放送 脚本:浦沢義雄 監督:坂本太郎)

【ストーリー】

 朝、寝ぼけるネギ太(高橋利安)。

ネギ太「小百合ちゃーん…」

 ペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)はネギ太をバットで殴って嘲笑。

 

 セロリ(斎藤晴彦)は何故か朝から気もそぞろ。ナス夫(佐渡稔)はトマト(東啓子)に、関わり合うなと言う。

トマト「でも」

ナス夫「でももキュウリもヘチマもキャベツもアスパラガスもない!」

 学校に遅刻したネギ太は廊下に立たされる。隣りのクラスの友人・ガン太(飛高政幸)も立たされていた。ネギ太にウィンクして、放課後に遊ぼうと迫る。

 

 セロリは、庭でテニスの練習。怪訝に思ったトマトとペットントンは、出かけるセロリを尾行。セロリはテニスプレーヤーの「美少年」(というより青年)に恋していた。コートへ彼を見に行き、彼にコーチを受ける少女に嫉妬したセロリ。

 トマトは、ナス夫の勤務先の区役所に電話した。

ナス夫「え、母さんが恋を!? トマト、だから関わり合うなって。うちの母さんは普通の人とは違うんだ。恋でもタイでもダボハゼでもマッコウクジラでもシーラカンスでもさせておきなさい!」

 

 セロリは、交番で警官(高橋等)に、彼女を逮捕するように要求して締め上げる。

セロリ「あんた警官でしょ。か弱い市民が困ってるんだよ」

警官「か弱い市民が警官の首絞めたりしますか」

 ペットントンは、不思議アイテム・友だちの輪を使う。みなで持って手をつなぐと名案が浮かぶというものである。セロリと警官、ペットントンは手をつなぐ。

セロリ・警官「美少年から女の子を離すには…」

 友だちの輪によると、2人をケンカ別れさせればいいという。ペットントンは手を伸ばして、カフェにいるふたりの足にいたずら。ふたりはケンカ。

少女「私、帰る!」

美少年「ぼくだって帰るよ!」

 喜ぶセロリ。見ているトマト。

トマト「シーラカンスなんてもんじゃないわ。ほとんどアマゾンの半漁人」

 

 セロリは自室で毛筆でラブレターをしたためていた。トマトは野原動物病院の野原院長(奥村公延)をつれてきた。

院長「奥さん、私は動物専門の…」

トマト「かまわない!」

 ふたりはセロリを診ようとする。ペットントンが掃除機をかけていると、乱闘の音。セロリが部屋から出た後に、トマトと院長がのびていた。

 セロリはペットントンを、美少年の自宅前に連れて来た。ペットントンの伸びる腕で、ラブレターを配達させる。ギターを弾いていた少年は、入ってきた腕に驚いて噛みつく。

セロリ「これが恋ね!ひょっとすると、これが私の初恋かもね」

 浮かれるセロリ。

ペットントン「ハチコイ? トントン…」

 

 小百合(川口智子)と別れたネギ太は、ペットントンに遭遇。恋することが理解できないペットントン

ペットントン「ハチコイトントントン」

ネギ太「ハチコイ? ああ初恋のこと?」

ペットントン「アームニムニ」

ネギ太「初恋ね。初恋とはそう、ぼくが小百合ちゃんのこと…つまり愛することさ」

ペットントン「アイチルトントン?」

 そこへ現れたガン太。遊ぼうと誘う。だがネギ太はペットントンと遊ぶ気でいた。

ガン太「ネギ太、お前こんな、人類じゃないやつと」

ネギ太「いやそうじゃなくて」

ガン太「お前、おれを見捨てる気だな」

ネギ太「そんな」

ガン太「同情はやめろ」

ネギ太違うんだよ」

ガン太「おれは、おれは、悪い仲間とつき合って、非行少年Aになってやる」

 

 ペットントンは周囲の一般市民から気味悪がられるが、神社で出会ったヨーコ(若林一美)と話すうち、なぜか愉しい気持ちになる。ヨーコは、他の人と違って、ペットントンを見ても驚いたり逃げたりしない。

ヨーコ「どう見ても、初恋って顔じゃないわよ。あんたの顔」

 膨らんで浮かび上がるペットントン

ヨーコ「どうしちゃったの。大丈夫!?」 

 ペットントンは不思議なボールを生み出した。

 

 商店街で泣き崩れるガン太。

ネギ太「ガンちゃん、泣くなよ。(周囲に)この子を泣かせたのはぼくじゃありません!」

 

 セロリは、「愛してる、愛してない」とティッシュ占い。

 心配したナス夫は、早退して帰って来た。

ナス夫「もう少し、もう少しでいいんです。真面目に生きてください。聞けば、恋した相手は大学生の美少年だというじゃありませんか」

 ナス夫は父の遺影を取り出してきた。

ナス夫「私のお父さんはこの人です。お母さんはこの人だけを愛すればいい。私は、私はその美少年をお父さんと呼びたくない!」

セロリ「だー!」

 ナス夫につかみかかるセロリ。セロリは上機嫌で「私は愛に生きる!」と外出。ナス夫はふすまに突きささっていた。

トマト「お父さん、とうとう関わり合っちゃったのね」

 

  公園にて、ボールからは赤い生物・ジャモラー(声:八代駿)が誕生。

ジャモラー「ペットントンの髪の毛ごちそうジャモラー」

 ペットントンの髪の毛を食べようと、追い回し始める。

 

 逃げてきたペットントンとセロリは、青年と彼女を見かける。ふたりは仲睦まじく、デートの約束をしていた。セロリのラブレターは放り出されていた。

 橋の上で嘆くセロリ。

セロリ「ああ、ブタが飛んでる!ああ、オットセイが飛んでる!この涙が乾いたら、また恋をしましょう」

 そこで、さっきのヨーコが柄の悪い男たちにからまれていた。ペットントンはタイムステッキで時間を止め、ヨーコを救うとセロリを暴走族にけしかける。

男「気持ち悪い、逃げろ!」

 男たちを追いかけるセロリ。

 ヨーコはペットントンにキス。ペットントンは膨らみ、浮かび上がる。

ヨーコ「ペットントン、大好き」

ペットントン「初恋〜」

 

 ネギ太とガン太は自転車に二人乗り。

ガン太「おれ、お前のこと一生離さないぞ」

ネギ太「やめろ!やめろ!助けて!!」

 ガン太は、ネギ太に後ろから抱きつくのだった。

 

【感想】

 セロリメインの回だが、まだ第2話なので、初登場のキャラ(とアイテム)が目立つ。

 まずネギ太に迫るガン太が初登場。飛高政幸氏の熱演もあって、『ペットントン』にこの人あり、と言うべき強い印象を残す。ガン太の場合は、最初からネギ太を愛しているという設定はあった。一方で小百合の出番はほとんどなし。

 ジャモラーも初登場。以後は、ほぼ毎度ペットントンを襲う場面がある。ストーリーに関わることもあるけれども、何の因果関係もないことも多い。今回は、ジャモラーの下にわずかに車輪が見えてしまっていた。

 またペットントンの初恋の相手であるヨーコも。ヨーコは中盤までの『ペットントン』では、物語を牽引するひとりであった(後半には出番が消滅)。ちなみに『ペットントン』の前々作『ロボット8ちゃん』(1981)の第17話「ナウいロボット!おしゃれが上手」(浦沢義雄脚本)に登場する「ナウい」お姉さん(中村久美)の名も“ヨーコ”であった。

 目立たないけれども、交番に勤務する警官も初登場。彼の出番は多く、いたずらの被害者から犯人逮捕まで、さまざまな役回りがある。演じる高橋等という役者さんはさりげなく演じていて好印象だが、あまり他作品の情報が出て来ない(次作『どきんちょ!ネムリン』〈1984〉にはわずかに登場)。この交番は、後年の『美少女仮面ポワトリン』(1990)や『不思議少女ナイルなトトメス』(1991)などに登場したのと同じ交番であるように思われる。

 

 前半でペットントンの不思議アイテム“友だちの輪”が初めて使われる。これは『笑っていいとも』(1982〜2014)における台詞をいただいたものである。『いいとも』では1987年ごろまで、毎日このフレーズを言っていたそうなので、1983〜84年はいちばん世間で流行していた時期であろう。ただ、この“友だちの輪”の用途はいいアイディアをひねり出すというものであり、これが直接に交友関係に役立つわけでもない。『ペットントン』終了間際の1984年には『ドラえもん』でも同様の道具“友だちの輪”が登場するが、こちらは仲良しになるためのものであった。

 

 ペットントンが掃除機をかける場面がある。浦沢義雄先生は以前のインタビューで「日常生活のスケッチ」が好きと話しており、こういうトンデモ世界でも日常茶飯事を忘れないところが魅力のひとつと言えよう。

 

 失恋して「涙が乾いたら、また恋をする」という台詞は、浦沢脚本の『美少女仮面ポワトリン』の第19話「涙の新兵器」でも使われている。

 

 川沿いの公園は、オープニングにも登場しこの先も頻出する武蔵関公園

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