『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第26話「不思議な森の白雪姫」(1984年4月1日放送 脚本:浦沢義雄 監督:坂本太郎)

【ストーリー】

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 ペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)は庭を掃除中に庭で居眠りして、セロリ(斎藤晴彦)に怒られる。

 

 そのセロリのマイコン(声:高坂真琴)がお話ししたいことがあると言い出し、「白雪姫」の話を始める。退屈で寝てしまうペットントン

セロリ「起きて感動しなさいよ!」

 トマトはペットントンをなだめる。

トマト「あなたの怒る気持ちも判らないではないけどさ、お母さまもああいう性格だからさ、我慢しなさい」

 トマトは、セロリは「白雪姫」の魔法使いに似ていると言い出す。思い浮かべるペットントン

 

 洋館の前で男(ヒデ夕樹)と女の子たち(白雪姫)が長々と踊るシーンが…。そこへセロリに似た魔女(斎藤晴彦)がやって来て通り過ぎる。

女の子「私たちは森の精。いまのおばあさんがこの森に住む魔女」

 

 魔女は、コンピューター(声:神山卓三)に問いかける。

魔女「この世でいちばん美しいのは誰?」

 コンピューターは、きのうまではあなたが美しかったという。

コンピューター「キョウカラコノヨデ、イチバンウツクシイノハ、ペットントン

 画面にペットントンが映る。

魔女「こいつのどこが美しいんだ?」

 魔女はペットントンをバーベキューにしようと企む。

 

 公園にいるペットントンの前に、魔女が現れる。

ペットントン「あ、セロリ」

魔女「セロリ、なんじゃそりゃ? 私は森の魔女じゃ」

 魔女はペットントンを連行しようとするが、ガン太(飛高政幸)が来て失敗。

 

 本屋でペットントンの本を見た魔女。

魔女「ペットントンの大好物は、葉っぱ」

 魔女は葉っぱでペットントンを釣ろうとするが、ネギ太(高橋利安)が来てまた失敗。

 洋館の前で踊る男と女の子たち。帰ってくる魔女。

 

 不機嫌な魔女に、コンピューターがアドバイスする。

コンピューター「ペットントンノニンキヲナクセ。ペットントンハニンキモノ」

 魔女はペットントンに「ひと口食べれば、どんなスーパースターでもあっという間に人気がなくなってしまうという魔法のリンゴ」を食べさせることに。

 

 公園で昼寝しているペットントンに、魔女は近づき、魔法のリンゴを食べさせる。

 ガン太に頼まれたペットントンが木の上のボールをとろうとすると、大量のボールが落ちてくる。怒るガン太。魔女は木の上で喜ぶ。

 そこへ小百合(川口智子)が来て、ネコを診てくれと頼まれる。野原動物病院に来たペットントンが、ネコは「水虫」と言ってしまい、小百合と野原院長(奥村公延)は怒る。

 ペットントンが帰ってくると、やかんがジャモラーに変身。逃げ回っていると、ネギ太にも怒られる。

 

 失敗つづきで、ネギ太たちから嫌われてショックのペットントン。海辺にいたペットントンを、魔女は慰める。

魔女「森へ行きましょ。森へ行けば、悲しいことはみんななくなっちゃうんだから」

 

 ペットントンが森へ飛んでくる。また洋館の前で踊る男と女の子たち。サル(高橋利安)とキジ(川口智子)、ブタ(飛高政幸)が現れた。「桃太郎」の歌が流れる。

ブタ「お前、魔女にだまされてるんだぞ」

キジ「帰りましょ」

 ペットントンは拒否。

 

 洋館へ入ったペットントンを縛り上げる魔女。魔女は、ペットントンをバーベキューにするために、油を塗る。

ペットントン「バーベキュームニェ」

魔女「大丈夫だよ。おいしいたれもちゃんと用意してあるからね」

 だがコンピューターが、ペットントンを自分のお嫁さんにすると言い出し、光線で縄を切ってしまう。

コンピューター「ペットントン、ダイスキ。オヨメサンニナッテクレ」

魔女「それで判ったよ。ペットントンがこの世でいちばん美しいなんて、お前がそう思ってるだけじゃないか!」

コンピューター「ウルサイ、オイボレ」

 コンピューターと魔女は光線の打ち合いに。コンピューターは微妙に動いて光線をよける。

コンピューター「シネ、オイボレ」

 魔女とコンピューターは相打ちになった。ペットントンは、タイムステッキで時間を戻す。そしてペットントンは止めに入り、光線を受けて倒れる。

魔女「私のバーベキューが」

コンピュータ「アア、セツナイ。オヨメサンガ」

 それぞれ消滅する魔女とコンピューター。踊っていた女の子たちが窓から見ている。

 そこへ王子さま(斎藤晴彦)が現れ、倒れているペットントンにキス。

王子さま「ペットントン、私が助けに参りました」

 マスクを取ると、王子さまもセロリにそっくりだった。逃げ出すペットントン

 目が覚めるとペットントンは庭で寝ていて、またセロリに怒られるのだった。

 

【感想】

 パラレルワールド的な異色編。2000年以降の仮面ライダーシリーズでは、劇場版でテレビ版の登場人物が違う設定で出てくるというパラレル世界を描くことが多いが、この時代としては珍しい試みであろうか。スタートから半年くらい経つと、スタッフ・キャストも手慣れてきていいチームワークができあがり、いつもとは別の設定を愉しんで構築しているのが伝わってくる。

 セロリ(魔女)がメインだけれども、子どもたちも結構目立っており、異色作ではあるが第2期らしいエピソードでもある。

 男の声のコンピューターはペットントンが好きという同性愛の設定は浦沢義雄先生らしいけれども、イベント編なので他には浦沢脚本の色はあまり感じられない。

 

 斎藤晴彦氏はセロリ・魔女・王子の三役で、特に王子さまには笑ってしまう(後年の『美少女仮面ポワトリン』〈1990〉と似た仮面を付けている)。冒頭とラストでは“SERORI”と書かれたカーディガンを着ていてそれにも爆笑。

 洋館の前で踊るのは“白雪姫”というユニットで、挿入歌は「ダンシングクイーン」(ボーカルはアニメソング歌手として知られる故・ヒデ夕樹氏)。この歌は「キラキラ☆ダンシングクイーン」と改題、ユニット名はキャロルに変更されて発売されている。発売前のシングル曲を特撮ドラマ内で流すというのは、相当にレアではあるまいか(特別なルートからの売り込み?)。このユニットが進行役を務めるおかげで、今回の異色ぶりは際立った。この「キラキラ☆ダンシングクイーン」は結構いい曲で、埋もれてしまったのはもったいない。

 

 魔女がペットントンのことを調べるシーンでは、書店に普通にあるペットントンの絵本を参照していた。パラレルワールドでは、現実世界のようにペットントンの本が刊行されている。ずっと後年だが『ラブコンプレックス』(2000)では、登場人物が『ラブコンプレックス』の記事が載ったテレビ誌を読んでいるという同様のシーンがあった。

 

 落ち込んだペットントンが海辺にいるシーンは、同時撮影の第25話と同じロケ地なので逗子であろう。スーツアクター・高木政人氏の哀しみに暮れる演技、仕草は実に素晴らしく驚嘆に値する…。

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