第24話「返せ!ぼくらの広場」(1984年3月18日放送 脚本:浦沢義雄 監督:冨田義治)
【ストーリー】
朝から険悪なナス夫(佐渡稔)とトマト(東啓子)、セロリ(斎藤晴彦)。うんざりするネギ太(高橋利安)とペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)。
ネギ太「ぼくも大きくなったら、父さんや母さんやおばあちゃんみたいになっちゃうのかな」
放課後、ペットントンとネギ太たちは空き地で野球をしていた。すると工事業者(高月忠)がやってきて、追い出されてしまう。区の施設を建てることになったのだという。憤慨するネギ太やガン太(飛高政幸)。
ガン太「これからの日本は、おれたち子どもが背負って立つんだぜ。だったらおれたちにもう少し、大人はお世辞を言ったり甘やかしたりしてもいいんじゃないのか。それが21世紀の日本にどれだけ役に立つか、大人たち判っちゃいない。ネギ太、小百合、ペットントン、お前たち判ってるな」
首を振るネギ太と小百合(川口智子)、ペットントン。
ガン太「大丈夫、おれもほとんど判っちゃいないから」
その夜、ナス夫がなかなか帰って来ない。
セロリ「まあ、その気持ちも判らないじゃないですけどね」
トマト「お母さま、それどういう意味ですか」
セロリ「こんなおかずじゃね、どっかにも寄りたくなるってことですよ」
セロリとトマトは喧嘩に。止めるペットントン。
するとナス夫は、家に上司である区長(石井喧一)を連れてきて、ふたりで酔いつぶれてしまう。区長はペットントンにお触り。
ペットントン「エッチ!」
翌朝ペットントンは川原でトレーニングしていた。ナス夫と区長は、二日酔いでダウン。区長は、ペットントンを代理の一日区長に任命した。
ペットントンが区長室で葉巻を吸っていると、ネギ太たちが現れ、ペットントンに空き地の工事中止を陳情する。ペットントンは工事業者に中止を言おうとするが、何も気づかない業者はペットントンの頭に吸い殻を落としてしまった。
だがネギ太たちは、空き地に区の総合スポーツセンターができてプールやテニスコートも使えると秘書から聞いて、一転して喜び始める。
ペットントンが中止を宣言したので、秘書は区長に連絡した。畑家で寝込んでいた区長は悲鳴を上げる。
ペットントンは、工事現場に乗り込み暴れ始めた。業者たちとペットントンは乱闘騒ぎに。
ガン太「あいつ何やってんの」
ネギ太「止めなくちゃ」
駆けつけたセロリとトマトはペットントンをぶっ叩いた後、ペットントンの手にジャモラー(声:八代駿)を持たせる。ペットントンはジャモラーに追いかけられるのだった。
夜になって、またセロリとトマトの喧嘩が始まる。
ネギ太「ペットントン、ぼく、絶対こんな大人にならないからな」
つぶやくネギ太だった。
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【感想】
ネギ太たちがメインの比較的オーソドックスな話。セロリやトマトも目立っており、終盤のアクションなど見せ場がそれなりに適切に配置されているのが判る。
冨田義治監督の登板は第19話以来なので、この24話も19話と同時進行で撮影されたとおぼしいが、他のエピソードは同時撮影分が2週連続で放送されているのに、どうしてこの話が4週空けて流れたのかは不明。19話も24話もネギ太たち子どもの出番が多いので、子役の時間が確保できる冬休み期間中にまとめて撮ったのだろうか。
今回は畑家の諍いがけっこう描かれ、ネギ太が気に病んでいるけれども、第43話では「このうちで育ってくためには、このぐらいたくましく生きなきゃ」と割り切っている。
区長役の石井喧一氏は第6話以来の登場。
工事業者役の高月忠氏は、川谷拓三氏らとともにピラニア軍団に在籍し、『仁義の墓場』(1975)や『新幹線大爆破』(1975)など東映制作の映画やテレビ番組に多数出演。不思議コメディーシリーズでは、『おもいっきり探偵団覇悪怒組』(1987)の第7話「ボクのパパは魔天郎」にて庶民的な父親と大金持ちの父親との二役を見事に演じ分けていた。浦沢義雄脚本では『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(1989)の第20話「在原業平の陰謀」でのコミカルなおでん屋など、硬軟自在の演技力の持ち主でさりげなく実力派である。
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