『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第28話「宇宙からきたオミッチャン」(1984年4月15日放送 脚本:浦沢義雄 監督:加藤盟)

【ストーリー】

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 日曜日の朝、畑家の庭で体操している小百合(川口智子)。

小百合「さ、行きますか」

 ペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)と小百合は、浮かび上がって空を散歩する。

 

 セロリ(斎藤晴彦)は、ナス夫(佐渡稔)たちを叩き起こしていた。

セロリ「毎週日曜日の朝は早起きをする。庭で体操をすることに決定したんですから」

 セロリは、ナス夫とトマト(東啓子)をベッドから突き落とす。

 ペットントンと小百合は、公園に降下。朝の空の空気を吸うことが夢だったという小百合は、スターになるのも夢だと語る。幻想の中で「艶姿ナミダ娘」を唄う小百合。

 そこへショートケーキ型のUFOが墜落してきて、中から変な男が現われる。ミッチャン星の宇宙人オミッチャン(福原一臣)だった。

オミッチャン「お前が、あのETが宇宙中から集めた植物をUFOの中で全部食べてしまったため棄てられたという、ミッチャン星朝のワイドショーで有名なあのペットントンか!」

 オミッチャンは、ペットントンを追いかけ始める。石垣から転落したオミッチャンは、カメラの方を見る。

オミッチャン「申し遅れました。あたくし、ミッチャン星人のオミッチャン。ペットントンをつかまえ、ミッチャン星でスーパースターにしようかと思いまして。ペットントン、ミッチャン星では朝のワイドショーとかニュースでいろいろ紹介され、有名なんですの。あ、あたくし? あたくし、ミッチャン星で悪徳芸能プロダクションのマネージャーをしているんですの。どうぞよろしく」

 イイイイと無気味に笑いながら、カメラに向かって自己紹介。

 

 オミッチャンは、電話ボックスから畑家に電話する。トマトに「電話よ」と言われ、怯えるペットントン。オミッチャンのことを話すが、ナス夫やネギ太(高橋利安)は信じない。そこへセロリが「朝食の後は軽いランニングを!」とやって来て、みなは逃げ出す。

 ひとり取り残されたペットントンの前で、無人のピアノが鳴り出し、オミッチャンが出現。ペットントンは拒否するが、障子から紫の光が差し込み、オミッチャンはサイケデリックな衣裳で追ってくる。

オミッチャン「逃げても無駄だってばさ」

 ドアの向こうには、巨大なオミッチャンの顔。家には青い光が立ちこめる。

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オミッチャン「こっちだよ」

 窓の外にも満面の笑顔のオミッチャン。

オミッチャン「スーパースターのブロマイドを撮らなくっちゃね」

 ペットントンがオミッチャンを突き飛ばしても、その反対側のドアからオミッチャンが現れる。

 ベランダから庭へ逃れたペットントンは、友だちの輪のアイディアにより、ジャモラー(声:八代駿)を身代わりにスーパースターにすることに。

ジャモラー「え、おれがスーパースター? いいとも、いいとも」

 だがオミッチャンは「これがスーパースター? 無理よ」とにべもなくジャモラーを洗濯機に投げ込む。怒ったジャモラーはオミッチャンと激突。

 

 その隙に逃げたペットントンは、野原動物病院で白衣の小百合に相談する。

小百合「世の中にはスターになりたくてもなれない人がいっぱいいるの」

 小百合は、それはチャンスだからミッチャン星へ行くべきだとペットントンを激励する。厭がるペットントン

小百合「ペットントン、大丈夫。あなたなら、スーパースターになれる!」

ペットントン「ムニェ…」

 

 公園でショートケーキ型UFOを修理しているオミッチャン。

オミッチャン「ペットントンをミッチャン星に連れて帰りスーパースターにすれば、私はがぼがぼ、大金持ち」

 皮算用のオミッチャンのもとへ、小百合が半ば無理矢理ペットントンを連れてきた。

小百合「必ずスーパースターにしてね!」

オミッチャン「ほんと?」

ペットントン「うそ!」

 宇宙船に押し込まれたペットントン。小百合が帰ろうとすると、オミッチャンは、今度は小百合をスーパースターにすると言い出す。

オミッチャン「ミッチャン星へ行って、スーパースターになっちゃいましょうよ」

 小百合は拒否。

小百合「だめよ。私、地球でスーパースターになりたいけど、ミッチャン星じゃ」

オミッチャン「おだまり!」

 オミッチャンはとんかちを持って、小百合を襲撃。逃げる小百合。宇宙船のドアを突き破ったペットントンは、タイムステッキで時間を戻してUFOのドアを投げつけてオミッチャンを撃退する。なぜかUFOも爆発。

 オミッチャン「あたしのUFOが…」

 愕然とするオミッチャンを取り残して、意気揚々と去っていく小百合とペットントン

 

 その夜、野原院長(奥村公延)が、宇宙人に会ったと言う小百合に困惑。畑家ではペットントンが同じく宇宙人の話をすると、ネギ太は「ぼく、信じる」という。庭からセロリが乱入。

セロリ「さあみなさん、おやすみ前の体操をいたしましょう!」

 逃げ出す一同。

 

 公園ではオミッチャンがUFOを修理中。そして、またカメラのほうを見てペットントンをミッチャン星へ連れて行くと宣言するのだった。

 

【感想】

 準レギュラーのミッチャン星人・オミッチャンが初登場。演じるのは、セロリ役の斎藤晴彦氏と同じ劇団黒テントに所属した福原一臣氏である(多数の舞台で斎藤氏と共演)。福原氏は、2007年に逝去する直前まで黒テントの中核俳優として活躍したが、映像の仕事は少なかったようでいま見られる仕事がわずかなのは少々残念。『ペットントン』でこのおねえ口調の宇宙人役を怪演した後、不思議コメディーシリーズの次作『どきんちょ!ネムリン』(1984)では普通の父親、『美少女仮面ポワトリン』(1990)の第8話では傲慢な政治家(ゲスト)を演じ、それぞれ見事にトーンの異なる演技を披露。このような仕事を拝見すると、俳優も創作家なのだなと痛感する。これほどの才能の持ち主ならば映画やテレビでも素晴らしい天分を発揮できただろうけれども、映像の仕事をあまりしなかったのは、舞台人としての矜持を感じさせもする。映像作品としては他に、舞台系の俳優たちが大挙出演した映画『夢見るように眠りたい』(1986)や、テレビ『うちの子にかぎって…2』(1985)、同じ不思議コメディーシリーズの『もりもりぼっくん』(1986)などがある。

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 福原氏の強烈なキャラに圧倒されるだけでなく、中盤の畑家では、ドアや窓にオミッチャンの笑顔が浮かび上がり驚かされる。第27話では手堅かった加藤盟演出だが、今回は第20話を彷彿とさせるトンデモぶり。

 序盤の小百合オンステージの場面は、第27話のネギ太の空想シーンといっしょに撮影されたものと思われる。同時撮影の27話で出ずっぱりのガン太は、こちらには登場せず。

 

 オミッチャンは準レギュラーとして登場するが、芸能プロのマネージャーをしているという設定はいつのまにか曖昧になり、最終話ではミッチャン星の大統領の命を受けていた。

 

 UFOの周辺やオミッチャンが転落するシーンのロケ地は台場公園。前半の追いかけっこの場面で、「いてっ、何すんだよ」という台詞だけペットントン丸山裕子氏の地声に。

 

 終盤に奥村公延氏がわずかに登場するもクレジットになく、なぜか出番のない木村修氏がクレジットされている(ミスとおぼしい)。

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