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『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第5話「うちのママは世界一」(1983年10月30日放送 脚本:浦沢義雄 監督:広田茂穂)

【ストーリー】

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 ナス夫(佐渡稔)とトマト(東啓子)はじゃんけん。負けたナス夫はセロリ(斎藤晴彦)の買い物に同行する羽目に。

 

 川沿いの公園で、ネギ太(高橋利安)と小百合(川口智子)はペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)の腕でなわとびをして遊んでいた。小百合はクラスでいちばん綺麗なママの話をするが、トマトの話は出てこない。ネギ太はがっかりする。

 ネギ太は、自分のママが世界でいちばん綺麗でいてほしいと願っていた。

ネギ太「そのジーンズよりスカートのほうがいいんじゃないの」

トマト「こっちのほうが働きやすいの」

 トマトはネギ太をうるさがる。そこでペットントンは自分が綺麗になろうと思い立ち化粧する。

ペットントン「トマト綺麗にならないなら、ペットントン、綺麗になるトントン」

 訝るトマト。ネギ太が川沿いにいると、ほお紅と口紅をつけたペットントンが登場。異様な姿に、ネギ太は悲鳴をあげる。

ペットントン「ネギ太のために綺麗になったトントン」

 トマトは様子を見に来ていた。

ネギ太「いくらペットントンが綺麗になってもだめなんだよ」

 ネギ太の気持ちを知ったトマトは、世界でいちばん美しい母さんになろうと決意。

 

 野原動物病院では、野原院長(奥村公延)とトモコ(小出綾女)が、トマトから話を聞いて感動。

トモコ「子が母を思う心」

院長「これが本当の愛だ」

トモコ「先生、感動しましょう!」

 

 ペットントンは校門や公園で子どもたちに、「きみのママは綺麗?」と訊く。

 トマトは、ペットントンの友だちの輪のお告げで、おしゃれな街に出て研究すればいいと思いつく。トモコは、後ろから現れたペットントンを見てまた気絶。

 トマトはペットントンをつれて街に出て、服やアクセサリーを見て回る。エアロビクスにも挑戦。しかし研究に熱中するあまり、トマトは家事を放り出してしまう。

ネギ太「ぼくのお昼は?」

トマト「悪いけどペットントン、つくっといてくれる?」 

 ペットントンにできるわけないというネギ太。ペットントンは発奮し、冷蔵庫を開けるが、中からジャモラー(声:八代駿)が出現。ペットントンを追い回す。

ジャモラー「ペットントンの髪の毛ごちそうジャモラー」

 

 セロリとナス夫が帰宅。草食系のペットントンが代わりに料理をつくったところで、野菜にソースをかけただけだった。

 トマトは綺麗になる取り組みに没頭。

セロリ「じゃあ世界一の母親となるためには、掃除や洗濯、うちのこと何にもしないと言うんですね!?」

トマト「はい、そうです」

 思わず言葉が出ないセロリ。

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トマト「お言葉ですがお母さま、世界一美しい母親が油にまみれてお料理つくりますか。ほこりにまみれてお掃除しますか。泡にまみれて洗濯しますか。おい、どうなの、え?」 

 「わかったわね!」と、怖い顔のトマト。

セロリ「ナス夫、私はトマトさんの代わりに掃除とか洗濯とか絶対しませんからね!しませんからね!」

ネギ太「おばあちゃん、血圧大丈夫かな」

 ナス夫は急にお腹が痛くなり、家事を拒否。

ペットントン「ずるいなあトントン」

 微笑むネギ太。

ネギ太「知ってる? 掃除や洗濯って18歳未満お断りなんだ。ぼく、10歳だからやっちゃいけないんだ。ペットントン、お前ならやればできる

 怒るペットントンペットントンが洗濯すると辺りは泡だらけに。

ペットントン「トマト、洗濯終わったトントン」

 料理をすれば野菜や食器をぶちまけ、ケチャップをぶちまけてしまう。

 怒ったトマトと追いかけっこに。トマトは世界一美しい母になるのはやめて、料理も掃除もすることを決意する。喜んだペットントンは膨らみ、空に浮かび上がった。

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 川沿いにいたネギ太は落ち込んでいた。気遣う小百合。その後ろで、ペットントンが川めがけて落下してきた。トマトが家事をまたすると聞いて、ネギ太も安心。

 畑家にて皿洗いをしているトマト。

ネギ太「母さん大好き! 母さんいまのままで世界一きれい」

 そこへ無気味なメイクをしたナス夫とセロリが、「ネギ太♡」と帰宅。

ナス夫「きょうから父さん、世界でいちばん美しい父さんになる」

セロリ「おばあちゃんは、宇宙でいちばん美しいおばあちゃんになる」

 悲鳴をあげるトマトとネギ太、ペットントン

 

【感想】

 前回は父で、今回は母・トマトの主役回。東啓子氏の当時の実年齢は設定より若く、アップのお顔を見るといまの満島ひかりに少々似ている気がする。

 シナリオの奇想天外さはあまりなく、現場のアドリブでアイディアや演技が盛り込まれた印象を受ける。後期のような異常性はなくとも、前話につづいて役者さんのテンションが高いので普通のドタバタ劇として愉しめる。

 

 ペットントンが子どもたちの前に現れるシーンや買い物に行くシーンは、『ペットントン』では毎度おなじみのハプニング撮影(前者では子どもが驚いたそぶりで集まってきているのに対し、後者の大人たちは視線を送るだけだが)。

 買い物のシーンは吉祥寺で撮られている。吉祥寺は第29話にも登場した。

 クライマックスのトマトとペットントンの追いかけっこが、やたら長い。この部分はおそらくシナリオに詳細な指定はなく、演出で好きに処理しろというふうになっているのであろう。畑家の室内から所沢航空記念公園のステージにつくられた横断歩道などの簡易なセットにいつのまにか移動し追いつ追われつした後で、また畑家の庭に戻っているという件りもあり、作り手の遊び心が感じられる。

 

 浦沢義雄脚本は「感動」を忌避する傾向があり、今回も「感動的だ」ではなく「感動しましょう」という台詞を言わせているあたり“感動なんて意識してするものだ”とでも言いたげなシニカルな姿勢が垣間見える。

 ラストの唐突な落ちは、浦沢脚本の近作『仮面ライダー × 仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』(2012)を彷彿とさせる。

 

 掃除のシーンでは、本棚に『ドラえもん』『キャプテン ハーロック』『鉄腕アトム』『釣りキチ三平』が並んでいる(どれも名作だが、いまも現役感があるのは『ドラえもん』だけかな…)。

 

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