『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第29話「根本はつらいよショッピング」(1984年4月22日放送 脚本:浦沢義雄 監督:冨田義治)

【ストーリー】

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セロリ「どうしてこう、最近の若い者は味噌汁つくるのが下手なんでございましょうね」

 畑家では、朝からセロリ(斎藤晴彦)とトマト(東啓子)が喧嘩に。

トマト「お母さま、いま飲んでる味噌汁3杯目ですわよ」

 顔をしかめるネギ太(高橋利安)に、ナス夫(佐渡稔)は「見ちゃいけない、ことが大きくなるだけだ」。

セロリ「わかりました、わかりましたよ。どうせわたくしは養老院でも老人ホームでも行けばいいんでしょうよ。トマトさん、パンフレット用意しておきなさいよ」

トマト「もうあります!」

 パンフレットを叩きつけるトマト。

 夜になると、セロリとネギ太たちが、節をつけてせき立てている。

セロリ・ネギ太「飯はやく 飯はやく はやくしろ」

トマト「うるさいわね!」

セロリ・ネギ太「米よこせ 食べさせろ 米食べさせろ 飯はやく 飯はやくったら飯はやく 形のあるもの食べさせろ 飢え死にさせる気か」

 そこへ小百合(川口智子)から電話がかかってきて、ペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)がショッピングに誘われる。「うーふふふー」と喜ぶペットントン。不機嫌になるネギ太は猛然と食べまくり、みなは呆気にとられる。

 根本(玉木潤)も電話ボックスから小百合に電話するが、小百合は冷たく、速攻で切られる。

根本「何なの、何なの。小百合さんにとって、ぼくはいったい何なの」

 

 翌朝、向かいのおじさん(木村修)が体操しているとジョギング中のマサト(高木政人)がそこを通る。畑家では怒るネギ太に、ペットントンが叩き出される。仕方なくペットントンは、野原家へ行き小百合や野原院長(奥村公延)と朝ごはんを食べた。見ていた根本は、不敵に笑う。

小百合「ネギ太くんに、何か悪いことしたんでしょう?」

 野原院長はペットントンに、よろしく頼むと言う。

野原院長「ペットントンがいれば大丈夫。みんな持ってくれるよ」

ペットントン「持つの?」

 実は、ペットントンは荷物運び要員だった。

ペットントン「持つだけ…ムニュ」

 

 ガン太(飛高政幸)は空き地で、ワンワンワン!と犬の真似。だが沈んだネギ太は放心状態。

ガン太「ネギ太、おれ真面目に遊んでんだぞ」

ネギ太「ぼくだって」

ガン太「いや、おまえの目は死んでいる。お前、おれの気持ち判っちゃいない。おれぐらいだよ、こんなくだらない遊び真面目にやってくれるの」

 そこへ小百合とペットントンが。

小百合「ネギ太くーん」

 小百合は、ネギ太とガン太もショッピングに誘う。ガン太は「おれのネギ太に手を出すな!」と通せんぼするが食事をおごると聞かされて、即行くことに。渋るネギ太を、ガン太は持ち上げる。

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 吉祥寺へショッピングにやってきた4人。

 店でペットントンとネギ太は、どちらの帽子が小百合に似合うかで対立。追ってきた根本。

根本「やあ小百合さん、偶然ですね。よろしかったらお茶でも」

 根本は話しかけるが無視され、ガン太に荷物運びを押しつけられる。

小百合「ネギ太くん、どっちが?」

 ペットントンとネギ太は小百合の洋服や靴選びで、とことんいがみ合う。

小百合「いい加減にしてよ!」

 

 こども園で、そっぽを向き合うネギ太とペットントン

根本「あの、小百合さん。この荷物…」

小百合「朝からおかしいのよね、ネギ太くんもペットントンも」

ガン太「何とかしなくちゃ」

 相変わらず無視される根本。

小百合「買い物のほうはどうにかなるから」

ガン太「でも荷物が」

根本「そ、そうなんですよ。その荷物のことについて」

小百合「大丈夫。根本くんがいるから」

 ネギ太とペットントンはつかみ合いになり、止めに入ったガン太はボコボコにされる。

ガン太「どうしておれがこんなにやられなくちゃいけないんだー」

 まだにらみ合うネギ太とペットントン

 

 小百合は買い物しまくった後、荷物をすべて根本に持たせて帰宅。

野原院長「あれ、ペットントンが行ってくれたんじゃないの」

小百合「いろいろあってね!」

根本「小百合さん、ぼくもうダメ」

 根本は荷物に押しつぶされて失神。そこへガン太から電話で、ネギ太たちは仲直りできていないと報告を受ける小百合。

小百合「わかった、私が何とかする。じゃあね」

 小百合は野原院長の夕食をつくらなければならないので、ネギ太とペットントンを取りなす役目を、根本に押しつける。

小百合「じゃ、頼んだわよ!」

 小百合は根本を突き飛ばす。

根本「ほんとに小百合さんにとってぼくは何なの」

 

 畑家へ来た根本。居間ではペットントンとネギ太が険悪。

根本「コーヒーとクッキーなど。なければケーキでも結構ですが」

トマト「はい?」

 偉そうな根本。

根本「おばさま、出来の悪い子を持った親の苦労って大変なんですって。まあ、親の教育にも問題があるんですよね」

 トマトは激怒。

根本「おばさま、興奮するとお肌に」

 帰宅したセロリやナス夫。

セロリ「面白そう」

 セロリとナス夫も加わって、ケチャップや小麦粉のぶっかけ合いに。

ネギ太「ペットントン、このままじゃうちじゅうがめちゃくちゃになっちゃう」

 ペットントンのタイムステッキと友だちの輪で、パニックは収まった。

 

 夜になって、根本は畑家でガツガツとごはんを食べていた。

トマト「あんた、どうでもいいけどよく食べるわね」

根本「遠慮しない主義ですから」

 二階のベランダでは、ペットントンとネギ太が月を見上げていた。月には小百合の笑顔が浮かぶ。いつのまにか、握手を交わすふたりだった。

 

【感想】

 根本の登場は第25話以来で、あの回と同様に今回もショッピング、喧嘩、畑家のパニックと場当たり的に話が進んでいくが、あのときほど脈絡のない展開ではなく、結果的にシナリオとしてはややインパクトに欠けるかもしれない。

 クライマックスはケチャップのかけ合いで、第25話につづいて根本回では根本が暴れるというフォーマット(?)が生まれた。畑家の面々は、今回も抜群のチームワークを見せている。

 序盤のセロリの「はやくしろ」の歌は、浦沢義雄脚本の次作『どきんちょ!ネムリン』(1985)の第26話「アイドルDJ!玉三郎」でも使われている(せきたてられる役も同じ東啓子氏)。

 

 ショッピングのシーンのロケ地は、吉祥寺のサンロード。不思議コメディーシリーズでは『ロボット8ちゃん』(1981)や『バッテンロボ丸』(1982)、『どきんちょ!ネムリン』(1984)などにも吉祥寺は使われており、筆者としては地元に近いので嬉しい。30年以上を経たいまでも現存する店も映っている。ハプニング撮影なので、通行人が一様にペットントンに注目している(今回は筋や台詞より、当時の吉祥寺の風景が面白いかも)。

 後半の子ども園は、第40話でも使われている。

 

 この回までは根本の言動も奇行というほどでもないので、何となく根本が気の毒に感じられ、小百合(今回から髪型が変わっている)の冷酷さが際立つ。それゆえ、ラストで小百合の笑顔を月にだぶらせても視聴者としては…。

 この時期としては珍しく、ジャモラーが一切登場しない(シリーズ終盤は、ほとんど出番がなかったが)。

 

 今回で大人から子どもに比重が移った第2期が終了。次回第30話からは子どもだけでなく無生物も暗躍する、カオス状態の第3期がスタートする。

 

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