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『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第22話「セロリ姫のひな祭り」(1984年3月4日放送 脚本:浦沢義雄 監督:佐伯孚治)

【ストーリー】

 ベランダで洗濯物を干しているトマト(東啓子)。

トマト「カレーにすべきか、すき焼きにすべきか、はたまた天ぷらにすべきか。美貌の主婦トマト、悩むのでありました」

 庭にいたペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)は手を使ってベランダに顔を突き出し、今晩のおかずに葉っぱを主張。ダメとトマトに却下される。

 

 セロリ(斎藤晴彦)は、自称アラビアの王子(大月ウルフ)と公園で出会った。

セロリ「あの大きな油田掘ってるという大金持ちの!?」

 セロリは、自分が日本のお姫様だとウソをついた。

 セロリはアラビアの王子を畑家に招待。トマトに女中役を強要する。

セロリ「お女中のいないお姫さまなんかいると思ってるの!」

 ペットントンメッセンジャーをやらされる。トマトは固辞。

トマト「あたしがお姫様で、お母さまが乳母だったら判るわよ」

 トマトはペットントンをこづく。それを聞いたセロリは、ペットントンの髪をぐしゃぐしゃに。

 

 ネギ太(高橋利安)は「面白い」と乗り気になる。

ネギ太「ちょっと足りないんじゃないの、畑家の嫁としての優しさが」

 ネギ太にそう言われて、怒るトマトはネギ太を追いかける。

 

 ネギ太とペットントンは、駅までナス夫(佐渡稔)を迎えに行く。ヒヒヒと笑うふたり。

ナス夫「お前たち、なんか企んでるな」

 ニヒヒヒヒと笑うふたり。

ナス夫「判った、何でも言うこと聞く。だからその笑いだけはやめてくれ」

 

 夕食はすき焼きとなった。険悪なセロリとトマト。

 食後に、部屋でナス夫はトマトを説得。のぞいているネギ太。

ナス夫「トトトトトトマト〜」

 キスしようとするナス夫。ネギ太が目を離すと、ナス夫は土下座。ようやくトマトは「やればいいんでしょ、やれば」と承諾する。

 

 そして翌日。トマトの発案で貸し衣裳を着る一同。

トマト「ユーモアですよ」

 

 ネギ太は、ペットントンに愚痴る。

ネギ太「まったくうちの母さんはやることが過激なんだから。このごろおばあちゃんに似てきたと思わない?」

ペットントン「ムニェ」

 ふたりの前を、きのうの王子が警官(高橋等)に連行されていった。

 

 トマトは駅前のキャバレーで花を借りてきた。

トマト「ユーモアよ、ユーモア」

 

 ネギ太は、王子は国際的な詐欺師で、王子と偽って人の家に上がり込み盗みを働くと報告。セロリは慌てる。

セロリ「私の面子はどうなるんだい、私の面子は、もう! あの王子さまを連れてこなかったらトマトさんに笑われるだけじゃないか」

 セロリはペットントンに、詐欺師を家まで連れてこいと命令。

 

 交番で詐欺師は、もっといいお茶を出せと威張っていた。怒る警官。

警官「ペットントン、なんか用か?」

 ペットントンは「ごめん」と警官を殴り倒し、詐欺師を畑家へ連れてきた。着物を着たみなは、客人として迎え入れる。

ネギ太「アラビアの王子さま、お姫さまは奥のお部屋でございます」

 奥のお部屋には、お姫さまになったセロリが待っていた。セロリ姫は満面の笑み。

ナス夫・ネギ太「ユーモア ユーモア ユーモア」

 みなが出て行くと、「この野郎、私をだましやがって」と、セロリは詐欺師の耳を引っ張った。

 

トマト「ばかばかしくて頭きちゃう、ほんと。あのじじいのどこが王子さまなのよ」

 トマトはあられをやけ食い。

ナス夫「トマト、あられ食べ過ぎじゃ無いのか」

トマト「ナス夫さん、私の体とあられの数とどっちが大事なの!?」

 ナス夫とトマトは喧嘩になって、ナス夫はトマトをひっぱたく。トマトは泣き、階段を駆け上がる。

ナス夫「見てたのか、すまん」

ネギ太「大丈夫、ぼく傷つかないから」

 やがてナス夫も泣き出す。

 

 セロリは詐欺師を縛りつけたが、詐欺師は縄抜けの名人で、「お茶の子さいさい」と脱出。セロリの部屋をあさって、「ためましたね、これはまあ」と引き出しをひっくり返し、「やっぱりあったぞ」と住友銀行の通帳を見つける。そしてパイプを吸ってポーズを決めると窓から逃走。部屋の惨状にショックを受けるセロリ。ネギ太は、国際的な詐欺師を逃がした罪がふりかかることを危惧。

ネギ太「ぼくたち、やっぱり死刑になりそうだ」

 ペットントンはタイムステッキで時間を巻き戻し、詐欺師を捕えた。

 セロリたちは詐欺師を交番に運んできた。警官はまだのびていた。セロリに起こされた警官は怒るが、

セロリ「夢よ、夢よ、すべては夢よ。絶対夢よ!」

 訝しげな警官。

セロリ「納得!」

 警官はなんとなく納得。ニヒヒヒヒと笑うネギ太たち。

 

 セロリはお詫びに、みんなでごはんでも食べなさいとネギ太に小遣いを渡す。「気が変わらないうちに早く行こう!」と喜ぶネギ太。

セロリ「ああ、もう懲りた懲りた。金輪際私はもう嘘はつかない」

 そこへ紳士が現れ、昔女優をやっていたかと問われたセロリは、判ります?と応じるのだった。

セロリ「主演映画を10本ほど」

 夜、ナス夫たち4人は外食。トマトは酔ってナス夫にからむ。紳士をつれてきたセロリと鉢合わせしてしまうのだった。

トマト「大体いい歳して、色だの恋だのボーイフレンドだのさ。いまごろ、あのしわくちゃ顔でラブシーン。くやし〜! ねえ、そう思わない?」

セロリ「私はそうは思わない!」

 困惑するペットントン

 

【感想】

 畑家とゲストが軸で、小百合やガン太は登場せず。小百合が一切出てこないのは、けっこう珍しい感もある。そういえばジャモラーの出番もない。

 詐欺師を迎え入れるシーンなどでは、セロリをはじめ畑家の面々の乗りのよさが際立ち、スタートからそろそろ半年という時期ゆえに、チームワークがよくなっていることが伺える。

 アドリブも多そうでおもしろいのだが、全般に尺を持て余しているようで、セロリn部屋の件りやラストのレストランなどいささか冗長で飽きてくる。ここのところ濃い目の話がつづいたので、ひと休みという感もある。

 

 詐欺師役は大月ウルフ氏で、セロリの部屋をあさるシーンでの軽やかな身のこなしには笑わされる。かつては外国人役で『仮面ライダーストロンガー』(1975)や『大鉄人17』(1977)といった多数の東映特撮ドラマに出演した怪優で、最近では『仮面ライダードライブ』(2015)に登場し健在ぶりをアピール。『ペットントン』と同じ不思議コメディーシリーズでは『ロボット8ちゃん』(1981)や『バッテンロボ丸』(1982)、『おもいっきり探偵団覇悪怒組』(1987)、『じゃあまん探偵団魔隣組』(1988)、『美少女仮面ポワトリン』(1990)にゲスト出演。浦沢義雄脚本は『ペットントン』と『ポワトリン』のみで、これだけシリーズに出ていながら、メイン脚本の浦沢先生に当たらないときのほうが多いというのも珍しい。

 

 監督は佐伯孚治氏。『帰ってきたウルトラマン』(1971)や『仮面ライダースーパー1』(1981)など子ども向けドラマに足跡を残した名匠で、『どきんちょ!ネムリン』(1984)、『勝手に!カミタマン』(1985)など多数の作品で浦沢脚本を手がけた。『美少女仮面ポワトリン』ではメイン監督を務めている。生真面目な正攻法の演出スタイルで素っ頓狂な浦沢脚本を映像化してしまう、天然な魅力がある。佐伯監督の『ペットントン』参加は2本にとどまった。『ネムリン』『ポワトリン』など他作品の佐伯演出は冴えていたのだが、『ペットントン』の2本はどうも間延び感がある。

 ネギ太とペットントンが歩くシーンは恒例のサプライズ撮影で、踏切で通行人の女子高生などが笑いながら見ている(この時期になるとペットントンはすっかり認知されている)。

 ネギ太とペットントンがナス夫を迎えに行く駅のシーンは、上井草駅だろうか。どうも第4話武蔵関駅ではないようなのだが…?

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