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『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第19話「さむがりやの雪ダルマ」(1984年2月12日放送 脚本:浦沢義雄 監督:冨田義治)

【ストーリー】

 街でジャモラー(声:八代駿)に遭遇し、逃げ出したペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)。その夜、畑家にペットントンから電話がかかってくる。驚くネギ太(高橋利安)。

ネギ太「え、ジャモラーにびっくりして、草津温泉まで逃げちゃった!?」

 

 誰が草津まで迎えに行くかでナス夫(佐渡稔)とトマト(東啓子)、セロリ(斎藤晴彦)が言い争いになり、こけたセロリは負傷。翌朝、セロリを除くみなが迎えに行くことになり、ガン太(飛高政幸)と小百合(川口智子)もついて来る。

ガン太「おれたちも迎えに行くからな。おじさん、お金のほうお願いします!」

ナス夫「はあ?」

ネギ太「父さん、ぼくに恥かかせないで」

 

 草津温泉でスキー、スノボーを愉しむ一同。

 ペットントンと3人は、旅館の前で雪ダルマをつくって、雪をぶつけて遊んでいた。温泉を満喫したペットントンがホテルに戻ると、なぜか雪ダルマが室内にいた。みなは怪訝に思いながら、雪ダルマを外へ出す。

 ガン太はネギ太を温泉に誘い、「頼む。洗わせてくれ」と迫る。

小百合「私も温泉入って来ようかな。行く、ペットントン?」

 ペットントンはいやらしく笑うが、

小百合「でもダメか、ペットントンは男湯のほうね」

 

 しばらくすると雪ダルマは、また室内にいた。雪ダルマ(声:上田敏也)はペットントンに、「ぼく、寒いの嫌いなんです」と訴える。

 そこへ3人が温泉から戻ってくる。

ガン太「小百合、ネギ太のおしりってとってもセクシーなんだぜ」

小百合「ほんと?」

ネギ太「やめろよ、ガンちゃん」

 雪ダルマはネギ太たちの前では何も喋らず、ペットントンはいたずらで部屋に入れたと疑われる。繊細な性格の雪ダルマは、雪をぶつけるネギ太たちを恐れていた。

 

 寒がりの雪ダルマが自分でホテルに入ったんだと主張するペットントンを、3人は無視。傷ついたペットントンはひとり雪山に向かった。これから吹雪になると聞いた3人は、ペットントンをさがしに行く。雪ダルマもペットントンを追いかけた。

 

 ペットントンは弾みで崖から落ちてしまう。ネギ太たちは、本当に動いている雪ダルマを目撃。ペットントンの言うことは本当だった。ネギ太たちと雪ダルマは協力して、ペットントンを引っ張り上げる。

 

 雪ダルマとペットントンは、「いい湯だな」のテーマをバックに仲良く入浴。

ペットントン「溶けない?」

雪ダルマ「溶けたらまたつくってくれればいいんだ」

ペットントン「外にいっぱい雪あるものね」

 

【感想】

 今回はゲスト主体でありながら、ネギ太ら3人もかなり目立っており、後半に増えるフォーマットが完成したと言えよう。

 

 そのゲストは、人間ではなく雪ダルマ。雪ダルマのくせに寒がり、という人を喰ったような設定で、浦沢義雄脚本で言えば『美少女仮面ポワトリン』(1990)の第42話「風流な宇宙人」や『美少女戦麗舞パンシャーヌ』(2007)の第3話「健康的な幽霊」といった珍タイトルを想起させる。だが、今回の内容は雪ダルマとペットントンの交流やネギ太たちとの諍いというようなよくある筋立てでまとめられており、シュールな面白さはあまりない。ただ、雪ダルマが動き出す理由づけが全くないあたり、第30話のような浦沢式無生物ドラマ(こちらでも何の理由もなく無生物が動き出す)の萌芽を感じさせる。

 雪ダルマの声は、前々回のヤギ役につづいてまた上田敏也氏で、声色や芝居のトーンも全く変えておらず、これでは同一キャラのようで食い足りない。

 雪ダルマとペットントンのシーンでは、童謡「雪やこんこん」や「いい湯だな」が使われており、誰の発案なのか判らないけれども、なかなかのセンス。童謡は、次回の第20話で絶大な効果を上げる。

 

 ロケ地は草津温泉。時おり映画やテレビのロケで使われており、このちょうど1年前に『金曜日の妻たちへ』(1983)でも主人公たちが草津へ泊まりがけでスキーに行くエピソードが描かれ、似た雰囲気になっている。

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 監督は、『ペットントン』初参戦となる冨田義治氏。冨田監督は長年子ども向け番組を演出し、『帰ってきたウルトラマン』(1971)では「二大怪獣の恐怖 東京大龍巻」「ふるさと地球を去る」など傑作エピソードを担当。『ペットントン』の植田泰治プロデューサーとは、以前に『キャプテンウルトラ』(1967)にて組んでいる。『ペットントン』の後も『もりもりぼっくん』(1986)、『超人機メタルダー』(1987)など東映の特撮ドラマを撮った。

 脚本家の故・市川森一は、冨田監督について「ひじょうに感性豊かな方」と話していたが(『帰ってきたウルトラマン大全』〈双葉社〉)、そのセンスが『ペットントン』で発揮されるのはシリーズの後半になってからである。

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