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『ペットントン』研究

『ペットントン』(1983〜84)を敬愛するブログです。

第3話「お月様の向こうへ帰りたい」(1983年10月16日放送 脚本:浦沢義雄 監督:田中秀夫)

【ストーリー】

 ヨーコ(若林一美)の夢を見るペットントン。ヨーコにキスされて膨らむ。

 セロリ(斎藤晴彦)は、キスされたり嬉しくなったりすると膨らみ浮かぶという習性を利用して金儲けを企み、ペットントン(声:丸山裕子 スーツアクター:高木政人)を観察していた。

 

 歩行者天国をふらふらするペットントン。周囲の通行人が驚く。

 

 きょうは中秋の名月ペットントンはお月見用のすすきを食べてしまい、トマト(東啓子)に怒られる。落ち込むペットントンは、ひとり花を摘んでいた。

 セロリはマイコン(声:高坂真琴)にペットントンのデータを打ち込む。だが特に金儲けの方法はない。怒ったセロリはコンピュータを殴り、締め上げる。

コンピュータ「イタイ」

 

 自転車で通りかかったヨーコが慰めてくれる。

ペットントン「役に立ちたいトントン」

 

 ペットントンは、小百合(川口智子)の紹介で実家の野原動物病院で働こうとする。看護婦のトモコ(小出綾女)は髪を逆立て気絶。野原院長(奥村公延)がトモコの手を掴み起こす。

トモコ「あ…。先生、おやめになって。いけませんわ、先生。そんなこと、いけませんわ」

院長「何をやっとるんだ。手術だよ、手術」

 だが、動物語を解するペットントンは、動物を檻から逃がしてしまう。

 

ペットントン「地球でうまくやれない…」

 悩むペットントンはホームシックに。

 

 ペットントンを利用して金儲けすることしか頭にないセロリ。セロリとナス夫(佐渡稔)は、ふたり並んでねそべって熟考。

 

 ペットントンとネギ太は満月を眺める。

ペットントン「お月様の向こうへ帰りたいトントン」

 セロリは月を連想させないように、だんごをすべて四角くする。つづいて月見うどんをかきまぜてぐちゃぐちゃに。

 

 ナス夫とネギ太は、友だちの輪を使って、キスされたペットントンが風船のようにふくらんで空に浮かぶことから遊覧飛行会社を作ることを思いつく。意外とお客は詰めかける。お金を見つめて喜ぶセロリ。心配そうに見守るネギ太と小百合。

セロリ「ペットントン、発進!」

 だが、セロリに何度キスされてもペットントンはまるで膨らまない。並んでいた客は怒り出す。

小百合「ペットントンって、綺麗な女の人にキスされないと浮かばないんじゃないの」

 慌てて逃亡したセロリは池に転落。

客たち「やったー!」

 セロリは溺れかけるが、ペットントンはタイムステッキで時間を巻き戻して、落ちる寸前のセロリに水泳のマニュアル本を渡した。池に落ちながら本に目を通したセロリ。

セロリ「全身の力を抜き、勇気を持って、両方の手を交互に。(…)簡単なことじゃないか!」

 セロリは速攻で水泳をマスター。ペットントンは初めて役に立ったのだった。小百合はペットントンにキス。膨らみ浮かび上がるペットントン

小百合「やっぱりペットントンは綺麗な人にキスされると浮かぶのよ」

 

【感想】

 設定紹介のための無難な話。友だちの輪やタイムステッキの効果を改めて説明し、強欲かつ活動的なセロリの性格が判る。

 

 小百合の出番はそれほど多くなく、ガン太は登場せず。終盤になると小百合とガン太が揃って出てこないと相当に違和感を覚えたが(第44話)、いま思えば初期の扱いはこんなものであった。おそらくふたりは視聴者の反響で積極的にフィーチャーされるようになったのだろう。今回の小百合は、ラストで自分でキスしておいて「やっぱりペットントンは綺麗な人にキスされると浮かぶのよ」と豪語するあたりは印象に残る。

 

 序盤でペットントン歩行者天国(新宿?)を徘徊するシーンはハプニング撮影のようで、周囲の人の反応が生々しくて面白い。このやり方は、この後何度繰りかえされている。

  ヨーコとペットントンが歩いている噴水の公園も頻出のスポットで、『バッテンロボ丸』(1982)でも見かけた。ジャモラーは、水中から襲来。

 

 前2回の副題のタイトルコールはペットントンだったが、今回からはネギ太が担当。 

 

 監督は田中秀夫氏。『宇宙刑事ギャバン』(1982)などの宇宙刑事3部作や『スケバン刑事』(1985)など多数の東映テレビ作品を手がけた名監督で、浦沢脚本では『どきんちょ!ネムリン』(1984)や『勝手に!カミタマン』(1985)も撮っている。特に『ペットントン』と同時期の『宇宙刑事シャリバン』(1983)では23本(シリーズの半分!)も監督した(『ペットントン』参加は2本のみ)。田中演出のためか、『シャリバン』など多数の東映作品にてショックな出来事が起きた折りにかかる短い音楽が、この「お月様の向こうへ帰りたい」でも2回使われている(ちなみに『シャリバン』の音楽は渡辺宙明で『ペットントン』は風戸慎介。特にクレジットはなかったけれども、短いので効果音扱いなのかもしれない)。

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